【アート・美術】アルフォンス・ミュシャ《ショコラ・イデアル》

ごきげんよう。

城牙咲くらはです。

 

さて、アルスマルシェ(ARS MARCHÉ)の公式ツイッターアカウント(@arsmarche)が出来たみたいです🌹

 

さて、今日は、2018年のバレンタインデーに書いた文章に一部の変更を加えてシェアいたします。

ゴディバジャパンの広告『日本経済新聞』(2018年2月1日)

 

王室御用達の老舗チョコレートメゾンが「日本は、義理チョコをやめよう」という広告を掲載して話題を呼んだ今年のバレンタイン。

 

皆様はいかがお過ごしですか?

 



僕はチョコレートが大好きなので大歓迎なのですが、そもそも「義理チョコ」文化は日本にしかないものですし、どことなく「昭和臭さ」や「理不尽な日系企業」の体質を感じてしまうので、反対派ではあります。

 

ただ、バレンタインデーに限らず、チョコレートを食べたり送ったりする文化が定着すれば、ヨーロッパ的で素敵だな、と思います。

 

さて、今日は、皆さんも大好きなチェコの画家にしてデザイナーのアルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860-1939)の作品をシェアいたしましょう。

 

アルフォンス・ミュシャ《ショコラ・イデアル》、石版画・紙、1897年

 

「ショコラ・イデアル」« chocolat idéal »とは、「理想的なチョコレート」という意味で、その下に書かれている« en poudre soluble »は、「溶ける粉末の〜」という意味のフランス語です。

 

中央に立っている女性が持っているトレーには、アール・ヌーヴォー調の装飾的な湯気が漂うコーヒーカップのようなものが見えます。

 

これは、この広告が示す商品の粉末状のチョコレートを、お湯やホットミルクで溶かした飲み物です。

 

フランスのホテルで朝食を摂ったことのある方ならお分かり頂けるかと思いますが、バイキング式の朝食会場でウェイトレスやギャルソンの方に「ショコラ・ショ」« Chocolat chaud. »とオーダーすれば、大きなポットに入った「ショコラ・ショ」を持ってきて注いでくれるので、このミュシャのポスターに描かれているのと同じものを飲むことができるのです。

 

このフランス語の「ショコラ・ショ」は、英語で言う「ホット・チョコレート」です。

 

RIP SLYMEの楽曲に「Hot chocolate」(2006年)というタイトルのシングル曲があります。

この曲のミュージックビデオを見ると、同グループの作風や同曲の曲調からはイメージしにくいレトロな仕上がりになっています。

 

この曲の歌詞ではトロッとした液体や、病み付きにさせる魅力から、セクシャルなワードが導き出され、隠微な曲として仕上がっていますが、このミュージックビデオのレトロな風情は、ミュシャの描いたポスター《ショコラ・イデアル》に由来するのかもしれません。

 

アルフォンス・ミュシャ(1928年撮影)

 

そして、もう一つ、チョコレートのポスターをご紹介しましょう。

 

アンリ・プリヴァ=リヴモン《ドゥラクル社のビスケットとチョコレート》、石版画・紙、1896年

 

アンリ・プリヴァ=リヴモン(Henri Privat-Livemont, 1861-1936)は象徴主義の画家にしてアール・ヌーヴォーのデザイナー。

 

ミュシャと作風が似ていることから「ベルギーのミュシャ」と呼ばれることも。

 

この広告のクライアントであるドゥラクル社は、1891年に設立された菓子メーカーで、今でもベルギーを拠点に企業活動を行なっています。

 

ゴディバやリンツと比べると日本ではマイナーだけれど、ドゥラクル社のチョコレートを送ったら「チョコレート通」と思ってもらえるかしら?

 

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城牙咲くらは

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