【アート・美術】ルドルフ2世の驚異の世界展@Bunkamuraザ・ミュージアム

ごきげんよう。

 

城牙咲くらは(じょうがさき・くらは)です。

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(これは過去に書いた記事の一部に加筆しているものです。)

 

先日、Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷)で開催されている「ルドルフ2世の驚異の世界展」に行ってきました。

 

ちなみに、Bunkamura ザ・ミュージアムは、国内でも三本指に入るお気に入りの美術館です。

 

ヨーゼフ・ハインツ《ハプスブルク家、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の肖像》、油彩・カンヴァス、1600年頃

 

 

「究極の趣味人」と呼ばれたルドルフ2世。

 

今でいう「ヲタク」のように、多岐に渡るジャンルの珍品を収集し、また制作もさせてきたルドルフ2世ですが、この展示の目玉といっても良いのが、こちらの作品でしょう。

ジュゼッペ・アルチンボルド《ウェルトゥムヌスに扮するルドルフ2世》、油彩・板、1591年

 

数ヶ月前まで国立西洋美術館(上野)で開催されていた「アルチンボルド展」が大盛況のうちに幕を閉じたのは周知の通りで、同時期にBunkamura ザ・ミュージアムで開催されていた「ベルギー奇想の系譜展」、その少し後に上野の森美術館で開催された「怖い絵展」、そして現在、東京都美術館で開催されている「ブリューゲル展」といった風に、「怪奇」や「驚異」といったコンセプトが近頃のブームのようです。

 

ハンス・フォン・アーヘン《ルクレティアの自殺》、油彩・カンヴァス、1601年

 

 

この「ルドルフ2世の驚異の世界展」の中でも特に興味を惹かれたのは、ドイツのマニエリスムの画家ハンス・フォン・アーヘンが描いた、この《ルクレティアの自殺》という油彩画です。

 

展示の主催者としてはあまり重点を置いていない作品だったのかもしれませんが、17世紀とは思えない、現代風の写実的な、まるでCGのような肌の質感が印象的です。

 

絵描きの端くれとして「画家目線」で偉そうに解説しますと、一切無駄のないタッチで用意周到に描かれていることがわかります。

 

ところどころチラつく下地のイエローオーカーの上に、微調整に微調整を重ねるかのように配置された絵の具達。

 

ところどころが背景の闇に溶け込んでいますが、あらかじめ光が当たっている部分を完璧に描写した後に、闇に溶け込ませたのであろう手法が想像できます。

 

グロテスクなはずの傷口を大々的に描かず、悲壮感あふれる人物の表情や「眼差し」だけで、伝承上の貞淑な女性の悲劇をドラマチックに演出しています。

 

伝承によれば、ルクレティアは自らの父親と夫の目の前で自殺しています。

 

その理由は、セクストゥスから受けた強姦によって貞操を守れなかった「罪の意識」に由来します。

 

そんな経緯もあり、最期は夫や父親と目を合わせることができなかったのでしょう。

 

 

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城牙咲くらは

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